味噌と餃子の通販|青源味噌
HOME社長ブログ侃侃諤諤手前味噌 > 味噌屋、仕事を語る

味噌屋、仕事を語る

「お味噌が好きでないと味噌屋は勤まらない。」

筆者が子供の頃、映画がとても嫌いな切符売りのおばさんがいたが、それはそれとして「仕事」と割り切っていくならば別に支障は無いように見える。しかし、味噌屋は違う。味噌屋は味噌が本当に好きではないとダメである。

「味噌が好き」というのには概ね2つの意味がある。1つは「味噌の味が好き」ということ。こういう方は、わりと、いや実にたくさんおいでになる。ありがたい話で、おかげで味噌屋は商売ができる。

もう1つは、「味噌の文化」が好き、ということである。味噌文化とは何だ?と思われるだろうが、この伝統的微生物発酵食品は、何百年もの間、日本人の暮らしの中にあった。その歴史の中でそれは単なる食品の一つということを超えて「味噌文化」ともいえるものを持っているのである。

日本人の食生活がいわゆる「一汁一菜」だった頃には、当たり前の調味料であった味噌は、いま全く別の価値観が支配する食卓の中で、別の意味を持つようになった。あらゆる国の食材や料理を日本の嗜好にマッチさせる調味料として、また慌ただしく貧しくなりがちな食生活のブレイクポイントとして、そして食事の中で日本人が日本を思い起こさせる重要な脇役としてと、味噌の果たしうる役割は味噌の文化に由来する、といえるのである。

こうした味噌の文化に心ときめいたり、新しい発見に感動したりできるから、「味噌屋」なのである。単なる「味噌つくり屋」や「味噌売り屋」は、激変する国民嗜好に振り回され、自ら何によって立っていたかを見失い、不確実な食文化の中に消えていく事になるだろう。

日本人の中にある「味噌」に共感し、その「文化」に共鳴し続けることが我々の仕事であり、そしてそれが「好き」だから「味噌屋」なのである。そしてそう考えられれば、これからも続けられると思うのである。

ページトップへ