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質の良い笑い

前回、「笑い」には種類があると申し上げました。
「刺す笑い」「楽しませる笑い」「癒す笑い」という風に分けて、特に効用を生む笑いは癒す笑いであると書きました。
上質なユーモアセンスとは人間性に裏付けられるものです。
その意味で「豊かな笑い」が様々な「笑いの効用」も生んでいるのだと思います。
 しかし実は、人はおもしろいから、楽しいからだけで笑うのではありません。
人はなぜ笑うのかという観点から「笑い」を見ると、さらに別の分類が見えてきます。
 ひとつには「心地よいから笑う」=快の笑い、という笑いのジャンルがあります。
大声でゲラゲラ笑うのではありませんが、幸せな気分、満足した気分、期待が満たされたとき、人は思わず笑顔になります。
人は気分が良ければそれだけで笑っているのです。
誰かがおもしろおかしいことを言って笑わせなくても、
贔屓のチームが勝った、合格した、おいしかった、得をした、賭けに勝った…、で笑います。
おおっぴらではありませんが、気に入らない奴が失敗した、社長が転んだ、ズバリ的中した上司の悪口…、こうしたことでも笑っています。
 「緩和による笑い」というのもあります。人は緊張が解けるとふっと笑います。
たとえば講習会などで突然司会者から名前を呼ばれます。
「○○さん、質問がおありということですが」「えっ、そんなこと…」
「ああ、すいません。別の方でした。ごめんなさ~い」なんていうときは、思わず「笑って」しまいます。
別に楽しいわけではないけど、笑います。
 楽しくない笑いには「社会的な笑い」という分野もあります。社会的に必要だから仕方なく笑う、というものです。
 人は笑顔で挨拶をされれば、こちらも笑顔をつくります。それが社交上の礼儀だからです。
「俺はつくらない」という人もいるでしょうが、この次からはニッコリ笑って下さい。
 「笑ってごまかす」という人がいます。これも立派な社会的笑いの一分野です。
自分を防衛する、相手の攻撃をはぐらかすのに大声で「ハッハッハッハァー」なんて笑っている人、よく見かけます。
 更に相手を攻撃する、傷つける目的の笑い、「嘲笑」です。相手を軽蔑し、価値を低く見ていることの証として「笑ってやる」のです。
 また無価値化の笑い、というのもあります。自分が陥っているタイトな状況を、笑ってしまうことで無意味なものとしようとします。
発車のベルが鳴っているときにホームに駆け上がってきた。一瞬の違いで電車が発車してしまう。
そんな時、人は「ニヤッ」と笑います。「しまったなぁハハッ」などと言って顔は笑っています。
 別におかしいわけじゃない。楽しいわけでもない。それでも人は笑います。
 最後に「病的な笑い」というのがあります。精神的に不安定をきたして、のべつヘラヘラ笑っているというのは、楽しいからではないでしょう。
それは病気がそうさせているのですが、「笑う」という形は同じです。
アルコールによって脳のある部分が麻痺してくることによって、人は必要以上に笑うようになります。
しかもあたり構わず大声で。これも病的な笑いの範疇かも知れません。心したいものです。
 「笑う」ということは、そんなにお気楽なことばかりではありません。
だから本当に質の良い笑いが価値を持ってくるのです。
「たかが笑い」と馬鹿にせずに注意深く観察してみて下さい。何を笑うかで、その人が解ります。
(天窓2004年1月 青木敬信)

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