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ワインを表現する言葉

「麦わら」「濡れた犬の毛」「蒸したバナナ」「牛小屋」「チョコレート」
「なめし革」「鉄」「スパイス」「タバコ」「紅茶」「ピーマン」「キューピー」「火打ち石」「猫のオシッコ」「ライチ」「ナッツ」…。
 この奇妙に並んだ言葉の共通点は「ワインを表現する言葉」という点である。
この世界はものにたとえて表現するので、日常生活の中にある経験とイメージがそのままワインの状態を表す形容詞になっている。
 「麦わら」というのは、白ワインの色の表現である。
ごく若い時の薄い緑色から少し進んだところの色をいう。飲みごろの色である。
これからさらに進むと「黄金色(おうごんしょく)」となり、その先は「褐色」、つまり劣化である。白ワインの色の表現はシンプルにこれだけである。
 上記の「濡れた犬の毛」から「ピーマン」までは赤ワイン、「キューピー」以下は白ワインの味と香りの表現である。
 「濡れ犬香」というやつ、実は私も雨の日の散歩の後に、我が家のハナコ(柴犬14歳)の匂いなどしっかり嗅いだことはない。
嗅ぎたいとも思わないのだが、ヨーロッパ人とは埒外な嗜好の持ち主が多いらしい。
「なめし革」と並んで赤ワインの「熟成香」として存外よい評価に使われる。
 「鉄」「スパイス」はブドウ畑の土の成分の味といわれる。
土の味とはこれも驚くが、有名なフランスのサンテミリオンやポムロール地方のメルロー種のワインには普通に感じられる味である。
鹿肉や猪肉と合う。「鉄の味がうまい」というのもワインならではである。
 「キューピー」というのは石油系の匂いで「セメダイン」という感じもする。
飲み物の香りとしてはやや不思議な匂いである。極甘口のデザートワインなどによくある。
 「火打ち石」は白ワインのミネラル香のこと。
石と石がぶつかった後の乾いたような、ややほこり臭いようなそんな感じ。
ミネラルの匂いってどんな匂いだと追求されれば、ミネラルに匂いはないかもしれない。あるとすればこんな感じという極めて情緒的な表現である。
 さて「猫のオシッコ」とは何か。気の抜けたビールのことなどを俗に「馬の○ョ○○○」などというが、この場合それとはなんの関係もない。
 ボルドー地方の白ワイン特有の香りとされる。
白ワインの代表的なブドウであるソーヴィニョン・ブラン種と、ボルドー地方の畑の組み合わせによって生まれる香りといわれている。
好意的な評価の言葉の一種だが、なぜこういう名前なのかは知らない。もっとも不勉強につき、猫の小便をしみじみ嗅いだこともないのだが。
 民族や文化の違いは、言葉の違いを通り越して感性の違いをも創り出している。
コミュニケーションは言葉で行うが、言葉だけ翻訳しても理解できないものもある。
安易な翻訳情報は混乱を生むこともある。
 なんといっても民族文化が永年培ってきたモノを示すことが、相手にストレートに伝える良い方法である。
ならば「味噌」も日本文化を他国に伝える重要な力を持っているといえる。もっともっと伝えたいものだ。(青木敬信)

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