味噌の中の真珠
お味噌の中に、球状の粒をご覧になったことはありませんか?
全種類の味噌とは限りませんが、主に豆味噌などから見かけるときがあります。
「もしかしてカビ!?」と思われる方がいらっしゃいますが、これはチロシンという物質で、
お味噌の形成で必要な旨味成分であるアミノ酸の一種なのです。
味噌はご存知の通り、
①大豆のたんぱく質
②米糀のぶどう糖
③食塩からでき、微生物の働きによって色・香・味が形成されています。
この味の部分で大きくかかわってくるアミノ酸は、旨味以外にも甘味や苦味を感じ、チロシンはむしを苦味を強く感じます。
しかし、適度な塩分と上手に混ざることにより、苦く感じない利点がある一方、
たんぱく質の分解が進むことで多くのアミノ酸が生成され、
水に溶けにくいチロシンは結晶となって折出され白い粒となって現れてしまうのです。
これは一般的に温醸した味噌より天然味噌、夏より冬、米味噌より大豆たんぱくが主の豆味噌というように、
熟成中の温度変化などが原因になって結晶化しやすくなるようです。
「白い粒々がある。異物だ!?」ということではなく、旨味がつまった白真珠と思ってはいかがでしょうか?
貝からまことの真珠ができるように、味噌からもおいしい真珠が生まれるのです。
本当の真珠ならもっと大喜びだったかもしれませんけど・・・。