味噌はもともと「お好み」がある食べ物といわれていた。赤味噌が好きで白味噌がキライとか、その逆とか、甘いのがイイ、甘くちゃダメとか、いろいろであった。
それぞれ育った家々で、そこで食べていたものに馴染みがあるからだといわれていたが、今はそうでもなくなってきた。今の家庭ではいつも決まった味噌だけを食べているということがなくなりつつあるからだ。
昔は味噌は「ただの味噌」だった。お酒屋さんで量り売りをしていた時代、味噌がなくなればご用聞きに「お味噌持ってきて」といえばいつもの味噌が来たし、店でもせいぜい3~4種類しか扱っていなかった。だからいつでも「同じ味噌」を食べていた。
今はお味噌はスーパーで買う。スーパーの棚には、普通40~50種類のお味噌が並んでいる。しかもそのうちの半分以上は1~2年で入れ替わる。お客様も「前にアレを買ったから今度はこれを・・」とあれこれ試し買いをする人が多い。
全国のものがいつでも売っているのは便利だ。それをあれこれ買うのも買い物の楽しみである。しかしその便利さ、目新しさと引換に、地域に根ざした食文化の色が薄められていってしまうことにも目を向けたい。
味噌は目に見えない微生物が造る。地域の風の香りが、その地元の味噌になる。それは本当はすごいことなのだが・・。
「味噌の昔、そして今…」 -みそっぷ講座-(みそっぷらんど2005年夏号記事より)
- 2010年03月10日













みそっぷランドの記事「みそつぷ講座」「侃々諤々手前味噌」の過去記事。