21代目社長と社員でつくる! 400年の発酵屋ブログ
2023.11.21

ペディオ開発担当「齋藤さんです。」~青源のひとびと~

青源の植物性乳酸菌発酵飲料「ペディオ」には、2人の生みの親がいます。

1人は、ペディオを共同開発した宇都宮大農学部の前田勇教授。創業400年の味噌蔵に棲みつく、たくさんの微生物の中から、植物性乳酸菌「ペディオコッカスアシディラクティシーAS19」を発見したのが前田教授でした。

 

そして、もう1人が前田教授とともに商品化に尽力した青源味噌品質管理課の齋藤博文(さいとう・ひろふみ)さん(48)です。


齋藤さんの努力は「ペディオコッカスアシディラクティシーAS19」の乳酸菌名にも、イニシャル「S」として刻まれました(ちなみに「A」は青源の「A」)。

 

齋藤さんは大学で応用微生物工学を学び、青源に入社しました。研究テーマは酵母菌。塩分などのストレスに対し、どのような防御反応を示すのか、その機能性に迫りました。研究で得た知識は、ペディオの開発にも生きたといいます。

甘酒の中でペディオ菌だけを培養増殖させるペディオ。多彩な微生物が棲みつく工場内での製造は、他の微生物が入り込まないようにするために、細心の注意と管理が必要です。

試作時には、酵母菌が入り込み、アルコールと二酸化炭素が発生。ワインのような味のペディオができてしまった失敗も経験しました。「ガスの噴出を招く恐れもあり、とても怖いこと。失敗を糧に、工夫に工夫を重ね、この操作をすれば大丈夫、という製造のこつをつかんでいきました」(齋藤さん)

 

これが原液の甘酒を造る大型の釜「斜軸ニーダー」です。(写真は別の甘酒)

この釜で製造されるペディオは、何とボトル5000本分!完成した甘酒は、密閉状態を保ったまま糖化タンクへ移され、85度の高温でいったん滅菌。その後、ペディオ菌を含む培養甘酒を添加して、ペディオ菌だけを増殖させます。

甘酒の製造も担う齋藤さんは「きめの細かい、良い商品ができた時。これは自信を持って出せるという商品ができた時は、うれしいですね」と笑顔を浮かべます。

 

入社から20年。齋藤さんは、さまざまな商品の開発に取り組んできました。サラダに合う辛味噌マヨネーズ、納豆の味噌だれ、ラーメンの調合味噌、麹醤……。アイデアを書き溜めたノートからは、紆余曲折を繰り返しながらも、お客さまに喜んでもらえる「青源の味」を創り出したい、という情熱が伝わります。

「ペディオの知名度を上げると同時に、これからも『青源の定番』と呼ばれる商品を生み出していきたい。自分が創った『味』が広がって、たくさんのお客さまに喜んでいただくことができたら、うれしい」(齋藤さん)

 

≪取材後記≫
カメラを向けると、決まっておどけたポーズをとる齋藤さん。実はユーモアを絵に描いたような性格の持ち主です。ノートをめくりながら、自ら担当した商品を振り返る時には、まるで、わが子を紹介するかのように目を輝かせていたのが印象的でした。

目に見えない微生物を操る製造現場はシビアな一面もあり、少しも気が抜けないことを改めて実感。ペディオが“生きている”ということを再認識しました。小さなボトルの中には、100億個以上のペディオコッカスアシディラクティシーAS19菌とともに「生きた発酵食品を届ける」という青源プライドが息づいています。

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