青源本店で新たに開講した「米麹造り体験教室」。熟練の勘や技術を用いて受講生の麹造りをサポートするのが、青源しもつけ工場長を務めるベテラン味噌職人の村田浩之さん(写真)です。
米麹を造るためには、麹室(こうじむろ)の温度や湿度を管理したり、米麹自体の温度を調節したりする、24時間体制の見守りが必要です。それは米麹を生み出す「麹菌」が、私たちと同じ命を持つ、生きものだから。
最終日、無事に出麹(でこうじ)を迎え、受講生の皆さまと生まれたての米麹を無事、送り出した村田さんに心境を聞きました!
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—“助産師”役として赤ちゃん米麹を無事に送り出せましたね。
「責任が大きくて内心ドキドキでした。皆さんの米麹への愛情がひしひしと伝わったので。その愛情が大きければ大きいほど、必ず成功させなければ!と私のプレッシャーも膨らみまして。(小声で)ちょっとだけ胃が痛くなりました(笑)」
—どこにいてもスマホで麹室の様子を見られるシステムも大好評でした。
「深夜にも関わらず、1時間おきに米麹の様子を一緒に見守ってくださった方もいました。思いが強いなぁ、かわいがってくれてるなぁ、とうれしかったです!麹菌たちにも、その思いは必ず伝わったと思います」
―初日の夜は、米麹自体の温度が下がり、ヒヤッする場面も。
「22時、23時と温度が下がり続けて。ただただ祈りました。麹室にある神棚に毎日手を合わせたりと、それほどの神頼み。心配しながら深夜1時半に温度計を見た時には0・1度上がっていて、それから1時間後には、さらに0・2度上がり、そこで初めて、よし大丈夫だ、と胸をなでおろしました。教室は、皆さまに仕込んでいただいたものを“保育”するのが私の使命なので、何とかよい状態に持っていけて本当によかったです(涙)」
―同じ工程でも、同じ米麹はできないって本当ですか?
「お米自体の状態も違えば、その日の気温や湿度、蒸米の混ぜ方、麹菌以外の微生物たちの影響なども毎回、異なります。たとえ見た目は同じでも、酵素力や菌数が異なる場合もあります。今回参加された皆さんが、また同じメンバーで仕込んでも、同じようにはいかない。今後一つとして同じ米麹はできないと思います。それが生きた発酵食品をつくる大きな魅力でもありますね」
―「一期一会」の貴重な経験ということですね。
「一緒に麹菌の命を育むというご経験を通して、皆さんの絆も深まったようです。初対面でしたが、最終日には、ともに子育てに奮闘した同志、のような一体感がありました。それもまた一期一会で、うれしい光景。みなさんの笑顔が私にとっては何よりの“ご褒美”となりました」
―改めて米麹造り教室のおもしろさを!
「わたしが米麹造りを初めて2年が経ったとき、『だいぶ慣れました』と言ったところ、社長から『麹は10年、20年じゃ分からないよ』とさとされました。そのことを実感する毎日です。そんな奥深い麹造りの世界を体験できるのが、米麹造り教室です。さまざまなものに活用できる、そのもととなる米麹を自分の手で造るというのは、なかなかできない経験かもしれません。唯一無二の体験を青源で。スタッフ全員でサポートしますので、安心してご参加ください!」
米麹造り体験教室のお問い合わせは
青源本店 028-633-3335へ。