人にとって有用な微生物の働きを「発酵」、人にとって不快で有害な働きを「腐敗」と区別しています。
微生物の世界の特質として、一定の環境の下で複数の微生物がいた場合、ある微生物が繁殖を独占し他の菌の増殖を許さないという作用が働きます。それは微生物たちの生存競争であり、弱肉強食のバトルです。
これらの「拮抗作用」と呼ばれるこの作用により、「発酵」を行う微生物が優位に立てば「腐敗」を招く菌の繁殖や侵入が抑えられます。その結果、発酵食品は腐らず長期保存が可能になるのです。
また、長期保存されることで味わいや風味を増す発酵食品もあります。「なれずし」をご存知でしょうか?中には30年も寝かせたものがあるそうです。長期にわたって熟成が進んだ発酵食品の味わいは、古くから人を魅了してきたのです。