
今年は、青源が創業してから400年になる節目の年です。帝国データバンクによると、栃木県内で2025年に周年記念を迎える企業は2323社。この中で最も古い企業が、なんと青源だそうです。
(写真は宇都宮市三番町にあった移転前の青源味噌工場)
青源は江戸時代の1625年(寛永2年)、宇都宮の石町に創業しました。
筆者が「江戸時代」と聞いて、思い浮かべるのが「ペリー来航」(もっといろいろあるだろう、というツッコミは置いておきます)
ペリー率いるアメリカの船が訪れて鎖国中の日本を騒然とさせた、あの有名な事件ですが、これが1853年の出来事なので、青源の創業は、そこから200年以上もさかのぼることになります。
中国では「清」が建国する11年前、まだ「明」の時代でした。
青源創業の1625年は、徳川家康を祀った日光東照宮ができ、将軍をはじめ、各地から大名が日光社参に来るようになった時期。宇都宮は、奥州街道と日光街道の宿場町として大切な役割を担っていました。
文献によると、当時の宇都宮は、人口およそ1万人。人の行き来が盛んで、活気に満ち、「小江戸」と呼ばれるほどでした。馬のひづめが鳴る音やにぎわう声が、聞こえてくるようですね。
1623年に3代将軍に就いた家光は、1634年から3年の月日をかけて、日光東照宮の大改修を行います。
もとは白木づくりだった東照宮が、今のようなきらびやかな姿になったのは、この大改修によるもの。家光が家康をどれほど尊敬していたかが分かります。
大改修には延べ454万人あまりの人数がかけられ、日光のお膝元である宇都宮もまた、活気に満ちました。
青源の創業は、徳川幕府が揺るぎないものとなり、日光と幕府との関係が深まっていく、そんな時代の中にあったのです。
そして。栃木県が誇るあの有名な文化財もまた、今年400年を迎えることが分かりました。
日光杉並木です。
日光杉並木街道の杉は、徳川家康の死後、家臣だった松平正綱・正信の親子2代によって植えられました。
植栽が開始されたのが、青源の創業と同じ1625年。杉並木と青源は“400歳”の同い年だったのです。(これには、びっくり!)
同じ時代の風を受けて、幾多の世を乗り越えて、現代に根を張る杉並木と、青源。
なんだか、ご縁を感じずにはいられません。