
青源の創業は寛永2年で、今年 2025年は 400年目にあたります。途方もない刻をお支えいただいたお客様と地域社会へ、改めての感謝を伝える年にしたいと考えています。
昨年末から社内で 12のチームをつくりプロジェクトを進めています。そのひとつが、青源が創業した時代の味噌を仕込んでみよう、というものです。あれこれ押し付け合いの末、担当は私ということになりました。
「青源」という社名は、創業者の初代青木源四郎の名に由来します。
1625年という江戸時代の三代将軍家光の時代、圧力釜やチョッパーなどもちろん無い、そもそも電気も無いし、米や大豆の計量だって秤など簡単には使えない時代です。それでも味噌は立派に造られていたわけですから、今改めてそこのところから実際にやってみました。
計量は一升枡と五合升、米をセイロで蒸して三日糀にして、大豆は地元の在来品種をじっくり煮る。それを塩と合わせるわけだが、秤は無い。大豆を潰そうにもチョッパーは無し・・・。先人の知恵と体力に敬服しつつの悪戦苦闘、 3人掛かりでようやく仕込みに至りました。これから夏を過ごして出来上がってくるこの味噌を「源四郎」と名付けてお目見えさせようと思っています。
いまの時代を生きている私たちは、あくせく過ごす日常と目の前に頻発する事件や時代変化の中で、つい「昔は良かった」などと思いがちです。ですが「400年前の味噌づくり」を体験して、いわば 400年前から今の青源を見てみる機会を得たような気がしました。そうして見てみれば、今は良い。確実に新しい知恵や道具に恵まれ、良い今という時を過ごしていると感じます。
創業 400年を迎えた今、これから 50年 100年後の青源の行く末を思う時、いつの時代にあっても新しい青源として新しい知恵を出し続けることが出来れば、必ず良い時を創っていくことは出来ると思えた体験でした。